「ある追跡の風景」
図書館からの帰り道、僕の前を歩いている男の人が、
不意に道の脇に転がっている空のペットボトルを拾った。
(おお、えらいなあ)と思いつつも、どこかに捨てる
んだろうなと
思い後をついていった。
すると、自販機があったので、
(そうか、ここに捨てるんだな)と思ったが、
「あれ?」
捨てないで相変わらずペットボトルを持ったまま歩
いて行く。
(おかしいな、自販機のゴミ箱があるのに?)
なるほどそうか、そおいうことか・・・と、
そのまま後についていった。
まるで、犯人を追いかける刑事ドラマの
ようだ。すると、あった、ゴミ集荷場が。
(そうか、ここに捨てるのか)と思っていたら、
「え・・・どうして?」
ここでもペットボトルを捨てないでそのまま持って
いく。
なにかに使うとしても、ペットボトルぐらい自分の家
にあるだろうし、わざわざ捨ててあったものを持って
いくなんて?
そう考えていたとき、
曲がり角に来て帰りの方向も違うので
その人とは分かれた。
電車に乗って帰宅するまでそのペットボトルの事を
考えていた。
あの様子では間違いなく自分の家に持って買えるんだ
ろうな。でも、どこにもあるペットボトルをどうする
んだろうと、不思議感に酔った一日だった。
お陰で良いことを学んだ。
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人のやることは人それぞれ
追求~深追い~詮索~しない
価値観の尊重