80歳に近くなると、病院通いも増えます。
まあ、今のところ、大きな病気はないので、
助かります。
また行くのか、と思っても、看護師さんのやさしい
言葉にふれると、安心しますね。
この病院は大きな壁掛けテレビがあります。
待ち時間の間、テレビが見れますので、気が紛れます。
その日は休日の次の日ということもあり、椅子席は
満杯で、ちらほら立っている方もいました。
病院で待っている方たちの表情は、皆、一様に暗い。
無言でじっとテレビを観る顔が並んでいます。
その時です。
テレビがプツン・・・と切れました。
テレビを見ていた20人ぐらいの目が、
一瞬止まりました、
テレビの画像がないと、皆、あちこちと目を
飛ばしています。
すると、看護師さんが来て、テレビの裏側を確認
していました。
直らないようでその場を離れました。
すると、今度は少し若い看護師さんがきて、
テレビの裏側を
ちょこちょこ触っていました。
ものの5分ぐらいでしょうか、
看護師さんがスイッチを入れると、
音声とともに映像が流れてきました。
問題はその後なんです。
テレビが直ったその瞬間、その若い看護師さんが、
にっこりして!ピースしておどけてみせたのです。
それがわざとらしくなく、自然な表情に、その場
にいた人たちが一斉に拍手をしたのです。
和やかな雰囲気が、じわ~と流れていきました。
看護師さんの処方箋が、その場の患者さんを
癒やしました。
何か、ドラマの一シーンを見ているような感じでした。
看護師さんの自然にでた行動でしょうが、
このようなことが
身についていることに感心しましたし、
患者さんの拍手が、
全員に共鳴していったことに、感動しました。
いい気分で病院を後にしました。
(あれ?症状がいくぶん回復したようだ・・・)
自分の行動が
誰かに与えている影響
を自覚する時、
おのれのちょっとした
振る舞いにも
心を配るものである。