人生に必要なことは草や昆虫や?に教えられた

日々の「あれ!おや?」から、人生の指針を紡いできた観察日記です。

野良犬の恩返し

暑いですね、とにかく暑い。まあ、これが
季節ですから・・・と理解して。
今日も書いていこう・・・書くことが僕の命!


時代劇はめったに見ませんが、この間、久しぶりに
鬼平犯科帳を観ました。このシリーズは数人の役者
が演じていますが、私は、中村吉右衛門のシリーズ
しか観ません、
人情ぶりの演技が気に入っています。

 

さて、この間観た鬼平から感じたことを書きたいと
思います。一つの幕を取りあげてみたいと思います。

 

この回はある剣鬼に狙わるのですが、この相手は
さすがの平蔵でも命の危険が、そんな相手です。
ある寺へ向かう前に階段下の茶屋で一服、そこに
腹をすかした野良犬が平蔵にじゃれてきます。
平蔵は自分の団子をやると、犬の首などをなでなで
してあげます。

 

平蔵は目的のために寺へ続く階段を登っていきますが、
野良犬も平蔵にちょこちょこついていきます。

 

中程の階段で、隠れていた剣鬼が突然現れ平蔵にキラリ
と剣を振り下ろします。
突然襲われ、さすがの平蔵も階段を転がります。
そこに、上段に構えた剣鬼の剣が平蔵に振り下ろされ!
「あ、危ない!!」と、その瞬間、そばにいた野良犬が
剣鬼の裾に食いつき、引っ張ります。
その瞬間、剣鬼の隙をみた平蔵は、刀を剣鬼に一突き、
勝負はつきました。平蔵は野良犬を抱きかかえると
ゆっくりと階段を降りていきました。

 

とこんなワンシーンですが、文章にすると長く

なりますね。
よく、映画のネタバレなどで起承転結の文章を

読みますが、
この作家など、うまくまとめているなと思います。
やはりコツのようなものがあるんでしょうね。

 

さて、鬼平のドラマの紹介ではないんです。
ここで観察という視点で物語を見てみましょう。

 

平蔵が犬に助けられたのはどうしてなんでしょう。

それは、平蔵と犬の心の関係が出来ていたから。
野良犬は今まで誰からも無視され、酷いときには
追っ払われてもいたでしょう。

 

そんな腹をすかした野良犬に命の食い物を与え、
ナデナデもして、愛情をくれた平蔵の危機に
向かっていくのは、野良犬の自然な行動ではない
でしょうか。

 

一匹の犬でさえ愛情のやり取りから己の立場を理解でき
るのに、人間に出来ないことはないと思います。
人間はこの社会で一人では生きていかれません。
何らかの形で他人のお世話になっているものですよね。
与えたり与えられたりの関係から、私達は自然と生きる
上での大切なことを学んでいくのではないでしょうか。

 

運命ということを考えたとき、このように、生活の中で
関わりを持った関係から人生が構築されていくのではと
思います。

ここで言うなら、もし平蔵がこの犬に出会っ
ていなかったら、違う結果になっていたのではないでし
ょうか。
これは,人間の世界でも言えることではないかと。

 

出会いの中で自分の気持の思いゆくままに

接していけたらいいなあと思っています。

接する人生から生まれる運命。
「今日の出会いを大切に、

   今の自分にできること、

        人として」

こんな事をこのシーンから学んだというお話でした。
学びはどんなとこにも、どんなところからも出来ますね。